絵本

「花をさかせたがらない小さなキャベツ」を読んで

「花をさかせたがらない小さなキャベツ」(中脇初枝/再話 うえのあお/絵)偕成社

女の子が主人公の昔話シリーズ!フランスのおはなし


あらすじ

花を咲かせないキャベツがあって、お母さんはアントワネットちゃんに水やりをお願いしました。
けれど、アントワネットちゃんは、「いやだよ。おさんぽするほうがいいもの。」
そこでお母さんは、子犬のところへ行って、アントワネットちゃんを噛み付くようにお願いします。
けれど、子犬にも「いやだよ。骨をしゃぶっている方がいいもの」と断られてしまいます。
そこで、今度は小枝のところへ行って、子犬をぶつようにお願いしますが…。

おすすめポイント

思い通りにならないキャラクターたち

お母さんが頼んでいるんだから水やりぐらいすれば、と思うところですが、秒で断るアントワネットちゃん。
断る理由が「お散歩したいから」というのも、そんな理由で..?という感じ。
自由。素晴らしい。こんな子供になりたかった。
子犬も小枝もその後の登場人物も、自分にメリットがないことはしないとばかりの強い意志。
断る際のシラーとした小枝や雌牛の表情、断った後自分の好きなことをしている子犬や水の表情も良かったです。

初志貫徹お母さん

どんなに断られても、表情を変えるでもなく、すぐ次なる手段を講じるお母さん。
切り替えの鬼。
わが娘に子犬といえども差し向けるとは、なかなか猟奇的と思いきや、子犬をはじめとする非力そうなキャラクターにもすげなく断られ続ける姿は気の毒でもあります。
しかしその結果、願いを聞いてくれるラスボスにたどり着くのですから、根気って大事なのかも…。

感想

出来事が次々と繋がっていく、だんだん話。
泣く子も黙るラスボスからの手のひら返しが楽しい一冊。