人生で一番衝撃を受けた本とは。
こんなことを考えるきっかけになったのは、この本。
『方舟』夕木春央/著
有栖川有栖先生の帯のお言葉「この衝撃は一生もの」通りの作品。
読後一週間は余韻に浸り、思い出しては息苦しくなりました。
読書でこんな衝撃を受けて引きずったのは、いつぶりかしらと考えたところ、以下の作品が浮かびました。
人生で衝撃を受けた本3選
『アクロイド殺し』アガサ・クリスティ/著
毎年各種ミステリーランキングが発表され、オールタイムベストランキング等々も目にする機会が多い昨今。
私もランキングを参考に選ぶことが多いです。
幸か不幸か、私が学生の頃はそんなランキングもなく、ひたすら有名作家の著作をローラーで読んでいくスタイルでした。
クリスティ作品の中でも衝撃作の一つ、ということも知らずに読むことができたのは、間違いなくラッキーでした。
『仮面舞踏会 伊集院大介の帰還』栗本薫/著
私にとっては、インターネット(当時はパソコン通信ですが)を介したコミュニケーションの恐ろしさを実感した初めての小説でした。
当時、自室で読んでいたのですが、真実が明らかになるくだりで怖くなり、家族のいるリビングに移動して続きを読んだのを覚えています。
当時は、インターネットがこんなに生活に欠かせないものになるなんて想像もしていませんでした。もちろんポジティブな面もありますが、恐ろしい事件が起きると、この作品を思い出します。
『痴人の愛』谷崎潤一郎/著
10代の私にとっては、一番の衝撃作でした。
タイトルから、何かロマンティックな恋愛物語を想像していたんだと思います。
最後の数行に、ほんとに何に付き合わされたんだ、と日本を代表する作家につっこみました。
文豪は何か高尚なことを書いている、と思っていた中学生には、少々衝撃が過ぎました。
最後まで読み切ったのも、「本は最後まで読まないといけない」と思い込んでいたせいです。
まなび
3作品とも、10代の頃に読んだ本でした。
歳をとると、衝撃に強くなっていくものですね。
『方舟』の読書体験はとても楽しかったです。
映像映え間違いなしな作品なので、脳内キャスティングも捗ります。