「いのちの水」八百板洋子/再話 ベネリン・バルカノフ/絵 (福音館書店)
あらすじ
昔々、あるところに広い国を収める王様がいました。
若く強かった王様でしたが、年老いて、衰えてくると、永遠の命がほしいと思うようになりました。
そこで、王様は3人の王子に、永遠の命を与えてくれるという水を探し出すように言います。
そして、探し出した者には、この国を譲ると。
3人の王子たちは、早速いのちの水を探しに旅に出ました。
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感想
このようなお話の場合、目当てのものを見つけ出すのは、末っ子のことが多いですが、このお話も例をもれません。
ただ、記憶にある昔話の中でも、主人公の末っ子が特に心優しい一方で、上の兄弟たちは利己的。
また、末っ子の手助けをしてくれた人外の者たちも大変愛情深く、それゆえに辛い目にあってしまうのが、悲しいところ。
最後は報われるものの、元凶の王様が大きい顔をしているのがなんともモヤモヤするところでした。
ブルガリアの昔話で、絵を手がけたのもブルガリア生まれの方とのこと。
心優しいものたちの儚さが印象に残った絵本でした。